「父ちゃんのサプライズパーティなのだ!①」第651回サルシカ隊がいく

投稿日: 2018年02月01日(木)16:48


写真/フォトグラファー加納  

「あのさあ、今度ちょっと結婚するんだよね」

サルシカ秘密基地のガレージのまえで何やら作業していた中谷の父ちゃんは、いきなり隊長のわたくしに切り出したのだ。
今度ちょっと、と言われても困るのだ。
それは買い物とか銭湯に行ったりするときに使う言葉であって、そんな気軽に、ちょいと家を出て近くの居酒屋に飲みに行くような感じで使ってはいけないのだ。

そもそも数ヶ月前まで、あっちの女性が美しい、だの、どこどこの女性を狙っているだの言っておったではないか。
彼女が出来た、という報告もなしに、なぜ「結婚をする」になるのであるか。
まじめな話、いよいよ若年性のボケがはじまったのではないかと心配したほどであった。

その妻になる女性は長野県の信級(のぶしな)に暮らしており、今度の休みに迎えにいってくるという。
ホンマかいな、という話であるので、わたくしは「あいよ、わかったわかった」とテキトーに返事をしておいた。

妻M子にその話をしたところ、相手は猫かなんかでまたいつものネタよネタと笑っていた。
まあ、そうであろうなあ。

そんな中、中谷の父ちゃんは信級に出かけていったのである。

清美さんを連れてきた日の夜。もちろん基地で宴会(笑)

そして数日後。
父ちゃんは本当に連れてきたのである。
猫ではなく、ホンモノの嫁さんを!!

清美さん。

6年ほどまえから知り合いではあったものの、イベントや行事で年に1回程度顔を合わせるぐらいであったが、昨年、信級でポポくんラーメンを臨時出店した際、彼女がアシスタントをつとめてくれ、そのあたりで一気に距離が縮まったのだという。

それにしても急展開!!
もはや58歳となった父ちゃんは、助走期間すらもったいなかったのであろう。
脇目もふらず、一気に飛び込んだのである。
まさに電撃結婚である。

しかも、みんなを驚かせてやろうと、本当に数人の人にしか結婚の話をしていなかったらしい。
確かに驚いた。
しかし驚く前に困惑して動揺して慌てたわ、コノヤロウ!

中谷さんが嫁さんを連れてきた翌日。
たまたまサルシカの飲食店部の会議の日であった。

おばんざいバルすみすの寿実ちゃん、キャンプバー・ランタンのマスターみずのっち、歌声サロンまりりんのアイドルであるまりりん、そして串揚げまるう本店の藤井夫妻が集まり、まずはまじめに会議。
日々の売上や経費確認などをしたあと、お昼ごはんを食べながら、いよいよ本題である中谷の父ちゃんの話になった。

「清美さんって本当に存在するの??」
「まさか誘拐してきたわけじゃあ・・・・・」
「まだボクは一度も結婚してないのになぜ父ちゃんが2回めの結婚をするんですか!!」(みずのっち)
「裏切り者! 裏切り者や、あのオッサンは!!」(すみちゃん)

まあ言いたいことはいろいろあるだろうが、とりあえずお祝いをしようではないか。
ついては、中谷の父ちゃんと清美さんの希望日に、各店舗を回ってもらおう、お酒と料理を各店でふるまおう、という話に決まった。

その日は本当にそれだけであったのだ。

1月26日の金曜日。
中谷の父ちゃんから、30日の火曜日がいいなあという希望日をゲット。

その頃、中谷の父ちゃんが結婚したという話が、Facebookなどを通じてあちこちに広がりはじめ、

「いつお祝いするのであるか?」
「式はいつなのだ?」
「とりあえず宴会をするんだろ」

などという問い合わせがたくさんくるようになった。
2月4日に松阪の「やまねこ亭」で、ふたりの結婚を祝う音楽ライブとパーティが行われることになっていたが、まだかなり時間があるし、場所的にも誰もがいけるわけではない。

で、その30日のふるまいはしご酒をイベント化してしまおうと考えた。
しかもサプライズで仕掛けよう!!

電撃結婚で驚かされたのだから、今度はこっちから仕返しなのだ!(笑)

というわけで、開催3日まえ、Facebookにイベントページを立ち上げる。
題して、

「中谷の父ちゃんと清美ちゃんの結婚祝福サプライズ」

中谷の父ちゃんと清美ちゃんは、1月30日に、4店舗を1時間ずつ回ってはしご酒をする。

18時に、おばんざいバルすみす。
19時に、串揚げ本店まるう。
20時に、キャンプバー・ランタン。
21時に、歌声サロンまりりん。

その各店舗に、中谷の父ちゃんの友だちやサルシカのメンバーが密かに集まり、ふたりを出迎えるのである。
ガチャっとドアを開けると、拍手やらクラッカーやら頭突きなどで手厚く歓迎してやるのである。

急な話であるし、まあ店が埋まるだけの人数が集まれば御の字だと思っていた。
が、隠密の募集から2時間後、すでに参加者が30人突破!
そして開催前日にはなんと50人を超える人が参加表明していたのであった!!

そして30日当日。
日が暮れる頃、隊長のわたくしは愛知県名古屋市の金山にいた。

もともとサルシカのプロデュース店舗でふるまうだけのはずだったので、隊長のわたくしはおらずとも大丈夫という判断であったのだ。

が、50人以上が参加するビッグイベントになってしまった。
これはきっちりと仕切らねばならぬ。

そこで、サルシカ副隊長のキヨちゃんに全体の運営プロデュースをお願いした(ケーキの写真のオッサンね)
そして大門商店街の理事長のチカちゃんにも、運営のフォローをお願いした(もうひとりのオッサンね。笑)

午後17時半。

中谷の父ちゃんと清美ちゃんがランタンにやってくる。
このふたりがフライングをして1杯やるのは折り込み済み。
この時点でお客さんがドワ〜っといると、完全におかしいとバレるので、人払いをしてある。

店内にいたのは、商店街理事長のチカちゃんと、同じくフライングゲストの王子のみ。
チカちゃん、ふたりの写真を撮って、グループメールに送信。

「来たよ来たよ。
何も知らず、まんまと来たよ」

が、あとで中谷さんに聞いたところ、チカちゃんはその時点ですでに酔っており、言葉のハシバシに「?」となるところがあって、

「あ、今日は何かあるな」

と気づいたらしい。
張り切りすぎて午後4時からランタンで飲んでいたという理事長チカちゃん、反省しなさい!(笑)

午後6時。
チカちゃんが誘導するカタチで、中谷の父ちゃんと清美ちゃんを、都ホテル横にある「おばんざいバルすみす」へ。

ここはサルシカがはじめてプロデュースしたお店。
その工作班長をつとめた中谷の父ちゃんにっても、非常に思い入れの深い店である。

店に入ると、満席のお客さんが拍手と歓声でお出迎え!!!

「おめでと〜!!!!!!」

14人しか入らない店内に山盛りの人!
しかもそれはみな、父ちゃんと清美ちゃんのお祝いをしようと駆けつけた仲間たちなのである。

のんびり食事と酒を楽しみにきたはずが、いきなりスピーチ(笑)。
新郎が話しているのに、

「つまらないぞ〜、もっとおもしろいこと言え〜」

の声(笑)。

サプライズゲストの中には、大道芸人の加藤みきおさんも!!
もちろん演し物で盛り上げてくれる。

動画撮影、ドローンでお世話になっている山田くんと野村さんも!
もちろんふたりは動画撮影をしてくれた。

1時間の宴会なんてあっという間。
お見送りのとき、感動して、女将の寿実ちゃんにハグ!!

「寿実ちゃん、ありがとうよ、愛してるよ!」
「こらぁ、愛しとるのは奥さんやろぉ」

「じゃあみんなありがとう、幸せになります」

いやいやまだ1軒目だから。
まだあと3軒あるから。

こうして盛り上がっている間、店内では理事長チカちゃんが次のお店である「まるう」に電話。

「もうこっち出る、あと5分でいくで」
「食事とかどんな状況で?」
「あまり食べてないけどかなり飲んどって、中谷さんはもうかなりええ感じやで」

そんな連絡があったこともつゆ知らず、中谷の父ちゃんと清美ちゃんは2軒目の串揚げまるう本店へ。

もちろんそこでも満席のお客さんがお待ちかね!!!
乾杯と拍手〜!!!!

「いったいこれどういうこと!!?  ひょっとしてこれから回る店もみんな人が待ってるの!!?」

ようやく今回の企画の全容に気づいたようだ(笑)。

「おめでとうございます!!!!」

新婦の清美ちゃんは、サルシカのお店に来るのもはじめてだし、ほとんどの人に会うのがはじめて。
しかも1時間おきにたくさんの人がどかどか登場なのだ(笑)。

まるうの奥には、サルシカ秘密基地の棟梁である大工のT橋さん。
そしてサルシカ軽キャンの棟梁である大工の坂下さんも!

まだ2軒目にしてこの騒動!!
後半はさらに酒が入り、スペシャルゲストもどんどんやってきて、すさまじいことになっていく。
乞うご期待なのだ(笑)。